タイだけではなく中国からも商品の仕入れをしているmonoです。こんにちは。
今回の中国輸入は少し大きめの荷物(300kg弱)になりそうだったので、手続きの復習がてら久しぶりに船便を利用しました。
しかし、SAGAWAやFedex、DHL、UPSなどドア・トゥー・ドアのクーリエ便と違ってちょっと面倒。
0.どんな時に船便(コンテナ混載便・LCL)を使用するか、そして注意点
零細ネットショップを経営するmonoは、輸入する規模もそんなに大きくないので、
普段はSAGAWA(佐川急便)やFedex、EMSなどのいわゆるクーリエ便で事足ります。
SAGAWAだと送料や関税・消費税等の着払いもできるので、すごく便利です。
しかし、貨物の重量がだいたい300kgを超えると、クーリエ便より船便が安い可能性が出てきます。
また、クーリエ便は飛行機を使用するため、電池(バッテリー)を使用した商品は送れません。
だからスマホ用のモバイルバッテリーとかは、船便でしか送れないことになります。
注意点。船便の場合、「一見さん(いちげんさん)」、つまり初めて船便を利用する場合は、
かなりの確率(おそらくほぼ100%)で開梱・全チェックの「税関検査」を受けることになります。
この費用がバカ高くて、monoの経験だと1回あたり7~8万円くらいとられた記憶があります。
ただし、おそらくですが、輸入する量などによるのではないかと思います。あまり詳しくなくてすみません。
なので、一回限りの利用だとクーリエ便のほうが安く済む可能性も高いので、継続的な使用を考えている場合以外は、
船便(混載便LCL)は使わない方が賢明かもしれません(輸入量にもよると思います)。
継続的に船便利用をする可能性がある場合は「日本輸出入者標準コード」を取得しましょう。
これを取得していれば、2回目以降の「税関検査」が無し、もしくは簡易なものになることが期待されます。
1.聞きなれない専門用語にひるむな!対応が必要な相手は基本的に3社(もしくは2社)だけ!
monoにとって船便での輸入は、とにかく専門用語との闘い、といったイメージです。
インコタームズ(貿易条件)のFOBやEX Worksくらいなら日常的に聞く言葉なのでピンときますが、
B/Lがサレンダードされてなくてどうとか、CFSがなんとかでかんとかとか、もう目が回りそうです。
しかし、シンプルに考えると、取引・やりとりする会社は三つだけで済んでしまいます。
商品を買い付ける会社(メーカー)と、港での処理をする海貨業者(乙仲)、国内の配送等をお願いする運送業者(佐川など)。
乙仲(おつなか)なんて名前を聞いてビビる必要は無し。港におけるややこしい処理を代行してくれる会社です。
もっと言うと、乙仲に通関や国内運送も頼んでしまえば、メーカーと乙仲だけの実質2社との取引のみとなります。
2.メーカーに船便での手配をお願いする。
輸入したい商品がかなりの量になり、船便を利用しようと思ったらとりあえずメーカーに船便での出荷をお願いします。
貿易条件(FOB、EX Worksなど)が何かは関係なく、港の倉庫に着くまでの手配をしてくれるはずです。
倉庫までとは、港についてからの諸作業(コンテナから貨物を取り出したり等)が含まれます(通関以降は含まれません)。
つまり、通常「メーカーからの出荷」から「日本の乙仲の手配」まではメーカー側でしてくれると考えていいと思います。
で、メーカーに船での運送料等を支払うのですが、通常だとメーカーに支払うのは海上輸送料までで、
港についてからの諸作業(コンテナから貨物を取り出したり等)については乙仲に直接支払うことになります。
依頼する先はメーカーだけなのに、支払いはメーカーと乙仲になることに注意が必要です。
monoは初めての時、二重請求されているのではないかと、かなり疑いました。面倒くさい性格です。
3.通関と国内配送を手配する
荷物が港の倉庫に着いたら、通関と国内運送の手配が必要なります。これをどこに頼むか・・・
初めての船便輸入の時、どこにもつてがない無頼派(?)のmonoは大いに悩みました。
そして選んだのが佐川急便。テレビコマーシャルでも輸入に関する各種ソリューションを用意していることがわかります。
通関(通関士の手配)から国内配送もしてくれるので、初心者にも優しい会社だと思います。
支払いも簡単。通関以降の作業をすべて一手に引き受けてくれるので、その代金を佐川に払うだけで終わりです。
ただし、一見さんはまだ信用の無い状態なので、おそらく先払いさせられますけどね。
ちなみにmonoは通常、乙仲に通関と国内配送の手配もお願いしています。これまで断られたことは無いので
乙仲なら大抵のところは通関以降の手配も引き受けてくれると思ってよいのではないかと考えています。
ここまでできれば、あとは商品の到着を待つのみ!考え方によっては意外とシンプルだと思いませんか。
4.実際のところどうなのか?今回の輸入での奮闘を時系列で解説します。
考え方はシンプルでも、実際にやってみると色々あります。やっぱりドア・ツー・ドアのクーリエ便と比べると面倒です。
そこで、少しでもイメージして頂けるよう、メーカーと乙仲とのやりとりを時系列で書いてみます。
メーカーとのやりとりは英語、乙仲とは日本語で、どちらもFAXは使わずEメールのみを使って連絡を取り合いました。
(1)mono→メーカー 神戸港まで船便での出荷依頼、インボイス(INVOICE)とパッキングリストの請求。支払いも済ませる。
(2)メーカー→mono 船の運航スケジュールが伝えられ、インボイスとパッキングリストがメールで届く。
(3)メーカー→mono 商品のHSコード(輸出統計品目標にあるコード)が必要だから教えてほしいとの連絡がある。
(4)mono→メーカー (そんなのこちらで調べる必要あるのかなぁ、と思いつつ)HSコードを調べて伝える。
(5)乙仲→mono Arrival Notice(貨物到着案内)のPDFがメールで送られてくる。インボイスとパッキングリストが必要とのこと。
(6)mono→乙仲 メーカーからもらったインボイスとパッキングリストを送る。ついでに梱包状態(サイズ・重さ・数量)を伝える。
(7)乙仲→mono 通関料や取扱手数料、配送料などの見積もりが送られてくる。
(8)mono→乙仲 通関・配送を依頼する。ついでに通関用に日本輸出入者標準コード(輸入者符号)を伝える。
(9)乙仲→mono HBLがまだサレンダー処理されていないので、シッパー(輸出者)に早く処理してもらってくださいとのこと。
(10)mono よくわからないのでHBLについて調べると「House B/L」の事らしい。つまりB/Lのサレンダー処理を頼めばよいだけと解釈。
(11)mono→メーカー B/Lのサレンダー処理を依頼。
(12)メーカー→mono PDFのB/Lが「surrendered B/L」としてメールで送られてくる。(が、どの部分を見ればサレンダードなのかわからない・・・)
(13)乙仲→mono (無事にB/Lがsurrenderedされたらしく)税関検査(大型X線検査:12,000円)を経て輸入許可が下りたとの連絡。
(14)配送業者→mono 荷物が無事に届く。「車上渡し条件」だったが、フォークリフトがないので、荷下ろしをドライバーが手伝ってくれる。
(15)mono→乙仲 支払いを済ませる。
以上となります。乙仲はコスモトランスラインという会社でした。実際には、途中で商品の素材を聞かれたりとか、INVOICE等にある貿易条件を、
FOB天津からC&F神戸に書き換える必要があるなど、上記以外のイレギュラーなやりとりもありましたが、それらは省略しています。
実店舗もしくはネットショップを運営してないとあまり関わりのない記事です。
でも、monoのような小規模店がちょっと多めの輸入をするときの参考になれば幸いです。
小規模店舗経営者のみなさま、一緒に頑張ってまいりましょう!