タイ・バンコクでの仕入れとネット販売をTシャツを例に考える

こんにちは。メルカリ用に仕入れたお試し商品(専門外)の販売には苦戦しておりますが、本業であるメイン取扱商品の楽天市場・amazon・Yahoo!ショッピングでの販売はそこそこ頑張っているつもりのmonoです。

今回は、私の守備範囲外商品ではありますが、「Tシャツ」を例にバンコクで仕入れてネットで販売することについて考えてみたいと思います。

 

1.バンコクのTシャツ事情

タイ・バンコクを訪ねるとTシャツを買い付けることができる仕入れ先が山のようにあります。バイヨーク2のようなほぼ卸専門のような店舗街から、卸と小売りのハイブリッド店舗が軒を並べるプラティナム・ファッションモール、果てはMBKセンター(マーブンクローン・センター)をはじめとする小売りメインのショッピングセンターなど、あげはじめるとキリがありません。

 

タイ・バンコクは言わずと知れた常夏の国。みんな一年中、Tシャツやポロシャツ、タンクトップなど涼しげな格好で過ごしています。そのせいか、ファッションのメインともなるTシャツの品質も様々なレベル・バリエーションがありますが、日本人の感覚からすると「薄手」のTシャツが一般的なような気がします。

なので、日本というマーケットを考えたとき、「高品質」なのはもちろんの事、できれば「厚手」のTシャツを扱うお店を探し出すことが重要になると思います。

あらためて言うまでもないかもしれませんが、この「高品質のTシャツ」というのは日本で販売する際にとても大事なことです。これがクリアーできれば、販売価格に関わらず顧客満足度が高まります。つまり、そこそこ高額で販売してもお客さんに喜ばれるという事です。

仕入れ価格は、どの店でどれだけの量を買うかにもよりますが70バーツから300バーツくらいでしょうか。150バーツ(500円ちょっと)くらい出せば日本でも通用する品質・デザインのものが見つけられると思います。

ただし、「フェイク(偽物)」に気を付ける必要があります。「Supreme」など、よく見るブランドなら一目でフェイクだとわかりますが、「デザインが素敵だから仕入れた」ら、実は東京発ブランド物のフェイクだった・・・。なんてことはよくあります。要注意!

フェイクがらみで少し話は飛びますが、チャトゥチャック市場などで売られている中古のニューバランスとか、あれ本物ですかね? タイ人が履き古した中国製のコピーが、日本の古着屋やメルカリに流れてなければよいのですが。

 

2.「買って」「売る」。レッド・オーシャン化の不安はあるが低リスク

これはバンコク仕入れに限ったことではありませんが、何か「すでに売っているもの」を「買って」「売る」という方法は、遅かれ早かれレッドオーシャンに突っ込むことになります。きっと、いわゆる「物販」に少しなりとも足を踏み入れた人は日々感じていることではないでしょうか。

レッド・オーシャンで勝負するには、きっと「売れる商品のリサーチ」を徹底的に行い、過酷な価格競争の末、薄利にならざるを得ないところを「量で圧倒」して利益を確保する、という事が必要かと思います。

リサーチという日々の努力と、売れ筋をつかむ嗅覚があってこその商売だと思います。

しかし、大変なことばかりではありません。この方法にもメリットがあります。

 

1.「よく売れている商品」を見つけて、同じものを仕入れれば基本的に売れる。

2.1商品あたりのMOQ(最小仕入個数)が小さい。いわゆる「小ロット」で仕入れられる。

3.上記の理由により、大きな(不良)在庫を抱えなくて済む。

 

など、比較的低リスクで始められます。旅行ついでの仕入れで、少し時間に余裕があるなら、こんなメルカリの利用方法もあるかもしれません。

 

1.「タイ Tシャツ,売り切れ」など、メルカリで売れてるTシャツをリサーチし、バンコクで探す。

2.売れてるTシャツや気になった商品が見つかったら画像を撮って、とりあえず出品。

3.あとで、買い手がついた商品のみ購入。

4.日本に持ち帰って発送。

 

もしかしたらもうやってる人もいるかもしれませんね。これならほとんどリスクなしでおこずかい稼ぎができるかも。

 

3.オリジナル・デザインで勝負。大量購入が必須だが、高利益率

高利益率を求めるならオリジナルのOEM・ODM製造(平たく言うと「オーダー・メード」みたいな感じ)も一つの選択肢になるでしょう。しかし、ある程度のリスクを覚悟しておかないといけません。わたくしmonoは、1個1,000円以上するバッグを100個、ODM製造したのは良いのですが、1年かけても5個しか売れず、大量に廃棄処分を行った・・・ことがあります。つまり、10万円以上をドブに捨てたようなものです。

私の失敗談はさておき、オリジナル製造は、売れなかった時・・・、というリスクだけではありません。列挙すると、

 

1.1商品当たりのMOQ(最小注文数)が大きいので、おのずと支払額も大きくなる。

2.出来上がってきた商品の品質によっては、ほぼ全てが売り物にならない場合がある。

3.注文したものと違うものが製造されて届く場合がある。

4.検品業者をはさまず日本直送にすると不良品の返品がほぼ不可能。

5.(タイでは未経験ですが)輸出入代行業者をはさんだばっかりに売れ筋の商品をパクられ、レッドオーシャン化。

6.(タイでは未経験ですが)デポジット(前払い金)を持ち逃げされる。

 

こんなところでしょうか。ちなみに私は上記すべて経験しております。それに対してメリットはおそらく、

 

1.競合がいないので利益率を高く設定できる。

 

だけです。しかし、品質の良い商品を提供できれば、そこそこ高く売って利益をきちんと確保できているのに、お客さんにも満足してもらえる、という、商売をしていくうえでこの上ない喜びを得られるのです。

 

4.バンコクでTシャツのオリジナルTシャツの製造をおこなう手順

さて、ある意味、この記事の本題です。バンコクでオリジナル・デザインのTシャツをつくるのは難しいことではありません。でもハードルが高いのも事実でしょう。

ここではどんなポイントを押さえればオリジナルのTシャツをつくれるのか、経験をもとに私なりに解説します。

 

1.デザインのデータを用意する

プリント方法によってデータ方式が異なります。インクジェット使用やデジタルコピー転写ならばJPG画像でもTシャツの作成が可能ですが、ラバー・インク(ゴム素材のインク)などを使ったシルクスクリーンでつくるなら、adobeイラストレーターのaiデータを用意しましょう。

 

2.オリジナルを製造してくれる店舗を見つける

探す場所はチャトゥチャック市場、プラティナム・ファッションモール、MBKセンター、バイヨーク・タワー2(バイヨーク・スカイホテルの地下1階から地上4階まで)など、Tシャツを扱っている店が入っているところならばどこでもよいです。

「made to order」と看板等に書かれていれば、間違いなくオリジナルでつくってくれます。また、置いてあるTシャツ全てのラベルのロゴが同じなら、デザイナーのいる「専門店」の可能性が高いので、オリジナルでの作成の交渉に応じてくれる可能性が高いです。

タイ語が話せるか、もしくは英語のきちんと通じる店を一軒々々まわって探せるだけの体力とハートの強さを兼ね備えた人は、MBKセンターの西側にあるTシャツ・スポーツユニフォーム店街にも行くことをお勧めします。

 

3.Tシャツをオーダーする

MOQ(最小注文数)は1デザイン50枚~100枚くらい、1枚当たり100バーツから200バーツくらいで作成可能なことが多いようです(サイズによって価格が異なる)。サイズはミックスできるので、良い店を見つければ、例えばSサイズ10枚・Mサイズ25枚・Lサイズ15枚の合計50枚、6000バーツ(20,000円ちょっと)とかでオーダーできます。

この時に、「サンプル作成」を必ずお願いしましょう。そして、サンプルと異なる商品、品質の劣る商品の場合は返品する可能性があることも了解を得ておく必要があります。

 

4.デポジット(預り金)を払う

オーダーした時点では、少額であっても請求額の全額を払う必要はありません。むしろ、何かトラブルが発生した時のために前金のみを払っておく方が安全です。デポジットの割合は交渉次第ですが、50%を基準に40~60%くらいが妥当なのではないかと思います。

 

5.サンプルをチェックし、問題なければ製造の開始

1週間~2週間くらいでサンプルが出来上がるので、プリントの具合をメインに縫製や生地などをチェック。既に日本に帰国している場合はEMSやFedex等で送ってもらうことになりますが、ここの費用をケチると、後々痛い目にあいます。

 

6.完成品を検品する

サンプル完成後からさらに1~2週間ほどもすれば実物が全て完成すると思うので、サンプル通りに作られているかどうか、チェックします。日本に帰国済みの時は検品業者に頼みましょう。特に初めての取引の時は厳しめの検品が必須です。

 

7.バランス(後払い分)の清算

検品が終わると後払い分の清算となります。まだバンコクにいる場合は自分で払えばよいだけですが、日本にいる場合は、銀行間で海外送金したりウェスタン・ユニオン等を利用するか、輸出入代行会社を通じて支払うことも可能です。

 

8.日本への発送

おそらく、この記事を読んでるかたならドア・トゥー・ドアの配送方法(EMSやDHL、SAGAWAなど)を選んだほうが良いでしょう。船便や航空便を使いこなすにはかなりの量の出荷量でないとペイできませんし、一回きりの輸入なのに税関で全品検査されて高額請求されるのがオチです。

タイ・バンコクでは海外配送を扱う店・会社のことを「カーゴ」とよんでいます。チャトゥチャック市場にあるカーゴ屋は高めの値段設定の場合が多いので、私はバイヨーク2の3階にある、英語も通じる、日系の「No.1エクスプレス」からSAGAWAで送っています。ちなみに「No.1エクスプレス」は検品や後払い金の預かりのようなこともやってくれます。

ところで、日本への料金は重さによって決まるのですが(100kg以上で100バーツ/kgくらい。重くなるほど1㎏当たりの料金が安くなる)、少し気を付ける点があります。それは容積重量というものが存在するからです。

容積重量は一般的に6000cm3=1kgとして扱うということ。つまり、実際の重さが1gのものでも、容積が6000cm3あれば1kgとして換算する、ということです。私は門外漢なのでTシャツの重さはわかりませんが、おそらく日本に送る際には実際の重量ではなく、容積重量で計算されることになると思います。

 

9.日本での受け取りと関税・消費税の支払い

ここまでくればあとは日本で受け取るだけ。ただし、関税と輸入消費税・地方消費税の支払いがあることをお忘れなく。ただ、おそらく関税の方は特恵関税により無税になると思います。

 

番外.販売販路の確保

忘れてました。意外とこれが一番ハードル高いかも。メルカリ・ヤフオクから始めて、Yahoo!ショッピング、amazonで出店。楽天から月額の安い(手数料は高いですが)出店プランのオファーが来たら楽天市場にも・・・という感じでしょうか。

 

以上です。オリジナルTシャツの作り方についてかなり詳細に書きましたが、興味のある方に刺さる説明になっているのやらいないのやら・・・。