こんにちは。たまには買い付け仕事の出張ではなく、純粋な観光で海外旅行に行きたいと思っているmonoです。
Googleでタイ・バンコク仕入れのメルカリ販売などを検索すると成功体験がいろいろ出てきます。
でもね、そんなには甘くないですよ。初心者が注意すべき点を考えましょう、というのが今回の記事です。
1.コットンボールランプ(コットンボールライト)と電気製品の電圧について。
monoがネットでの販売を始めたころ扱っていたのは義烏(イーウー)で仕入れた電化製品やタイのバンコクやチェンマイで買い付けたエスニック雑貨。
バンコクで仕入れたコットンボールランプも販売してました。ただ、取扱商品の取捨選択を進めた結果、取り扱うのをやめたアイテムです。
コットンボールランプはタイに行けば絶対目に入る「おみやげ」のひとつ。チャトゥチャック市場では扱う店も複数あります。
ただ、ほとんどの場合、電圧220Vの電球のため、日本で使用するには電圧110Vの電球のものを入手しないといけません。
そう、タイで電化製品を仕入れる場合は電圧に気を付けなければなりません。これを忘れるとただのゴミになってしまいます。
ついでに言うと、コットンボールランプの電圧110Vのものは、多くの店の場合、すぐには手に入りません。
チャトゥチャック市場なら金曜日に注文したとすると、日曜日に受け取り。下手すると1週間後に受け取る、とか、そんな感じです。
また、数年前から中国製のLEDを使ったコットンボールランプも市場に出回り始めました。普通の豆電球を使ったタイ製は競争上不利かもしれません。
2.ちなみにコットンボールランプは売れるのか。
クリスマス時期には売れます。でも断っておきます。「いくらで売れるのか」が大事です。「いくらで売っているか」ではありませんよ。
メルカリで「コットンボール ライト」などで調べてみると、いっぱい並びます。しかし「SOLD」のタグが付いていないものもあります。
「SOLD」になっている出品の多くは1000円前後でしょうか。しかも送料込み。高くても千円台後半といった感じです。
楽天市場やYahoo!ショッピングの方はというと、もう少し高くて送料込み1600円ぐらいが最安値。
ただ、2800円くらいで扱っていて、しかもレビューがそれなりについている店舗もあるので、売り方次第で利益が出そう。
amazonではタイ製のコットンボールランプの取り扱いが少なく、送料込み2300円くらいからありますが、あまり売れてなさそうです。
タイ製コットンボールランプの現地仕入価格は3~400円程度なので、メルカリしか販路がない人は、ほとんど利益をあげられないと思われます。
これは他の商品にも言えることかもしれません。事前の念入りな価格調査が必要となるでしょう。
3.目につくけど、法的な問題で扱わない方が賢明な商材。
石鹸(化粧品も)は基本的に輸入・販売はできません。日本に持ち込んでよいのは、「個人で使用する目的で標準サイズで24個以内を輸入する場合」のみ。
食器類も輸入するには「食品衛生法」に基づく手続きが必要になります。これは面倒です。やったことないけど。
ただ、例えばお皿は「観賞用の絵皿」や、小さいものなら「たばこの灰皿」と言い張るなど、裏技もあるようですが・・・。
タイでも人気があるドラえもんとかキティちゃんといったキャラクターものもやばいです。ブランド物の偽物など、もってのほか。
とにかく、輸入販売を考えたとき、法に触れるものは薬物関係だけではありません。どうかご注意を。
4.次第に競争力、そしてモノづくりの力を失いつつある!?タイ。
以前の記事で「バンコクでTシャツを仕入れる」ことについて書きましたが、その分野でもタイ仕入れは競争力を失いつつあるように思います。
タイで売っているTシャツなら「メイド・イン・タイランド」と思いがちですが、タイの製造業はすでにグローバリズムの波にのまれる側にまわりつつあります。
バンコクで買ったTシャツ。ラベルをよく見るとバングラデシュ製やミャンマー製という事もあります。つまり、タイ製は価格が高い(コスパが低い)のです。
で、どうなるか。日本国内でバングラデシュ直輸入のTシャツとタイ製(もしくはタイ経由のバングラデシュ製)のTシャツが競合した場合、価格競争力がほとんどないのです。
そうなると「オリジナルデザイン」「高品質」といった付加価値が必要になりますが、これを極めるなら日本国内のTシャツ業者に頼んだ方が(コスパも)良いものができます。
そんな状況のもと、monoは、タイも日本と同じように徐々にモノづくりの力を失いつつあるのではないかと感じています。
この10年の間に私の取引先も三つ姿を消しました。彼らの「栄枯盛衰」の「栄」と「盛」の時期を知っているだけに、切ないものがあります。
バイヨーク2のテナントを見ても、たとえば以前は4~5件あったバッグ業者が今はほとんどなくなりました。シャッター店舗も増えました。
おそらく、製造元の工場が少なからず廃業しているのではないかとmonoは考えています。
5.まとめ。タイ・バンコク仕入れで失敗しないために。
メディアの報道などを見ていると、日本国内ではちょっとした「副業ブーム」のようにも見えます。その一つがプチ海外輸入販売
(タオバオ・アリババとamazonのFBAを利用する猛者もいますが、そちらはまたの機会に書こうと思います)。
ネットでは「バンコクで〇万円で仕入れた商品がメルカリ販売で〇〇万円に!」みたいなブログ記事やYouTube動画をよく見かけます。
でもね、ぶっちゃけそんなに簡単ではないですよ。タイ・バンコク仕入れはすでに機雷だらけのレッドオーシャンと言っていいでしょう。
そもそも失敗した人はあまりブログに書かないし、加えてブログ記事自体が輸入代行業者の広告みたいなの多いし。
で、結局どうするの?という事ですが、ズバリ旅行ついでのバンコク仕入れ・メルカリ販売で初心者が注意する点は
・売れない・売ってはいけない商品をあらかじめチェックしておくこと。この記事に載せている商品くらいは最低限押さえてください。
・売れて、しかも利益がでる商品かどうか、購入直前でもいいからメルカリ等でチェックすること。
・売れなかった商品でも、自分や身近な人たちのおみやげにして後悔しないくらいの量を買い付けること。
・お金儲けを楽しむのではなく、「売ること」自体を楽しむこと。そうでないとおそらく売れなくてガックリきます。
・仕入れのために時間を割きすぎて十分に観光できない、といった本末転倒にならないようにすること。
なんか、しょぼくれたまとめになりましたが、これが現実だと思います。
6.おわりに。
monoが頼りにしているカーゴ屋「No.1 EXPRESS」の店長も言ってましたが、日本人の顧客(輸入業者)はだいぶ減ってしまったそうです。
昔はバイヨーク2の3階にある「No.1 EXPRESS」に寄ると、日本人のおっさんバイヤーが一人ふたりいたものですが、今年は全く見かけませんでした。
タイ・バンコク仕入れも少しずつ過去のものとなりつつあるのかもしれません。
monoとしては「業者が減る」「一周まわって、仕入れの穴場になる」的な展開を見せて復活してほしいのですが。
でも、タイ、いわゆる小ロットOEM・ODMの発注先としてはなんとか健在だと思いますよ。monoみたいな小規模ネットショップの力強い味方です。